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みなし残業制度のメリット・デメリットと注意点
2024年01月08日(月)
多くの企業で導入している「みなし残業制度」は本来、企業側にも従業員側にもメリットがあるものです。ただし、きちんとルールを守り、正しい認識の上で運用しなければトラブルを招きかねません。
そこで今回は「みなし残業制度」とは何か、そして同制度のメリットや注意点について解説したいと思います
みなし残業制度って何?
みなし残業は「固定残業代制」と「みなし労働時間制」に分類されます。
固定残業代制とは、「毎月一定の残業時間を想定して、給与や年俸の中にあらかじめ残業代を含めて支払う制度」のこと。
たとえば、基本給25万円(ただし固定残業代として20時間3万円を含む)などと表記されます。
みなし労働時間制とは、「毎月〇時間働いたものとみなして、その分の給与を支払う制度」のこと。在宅勤務や外回りの多い営業など、労働時間の把握が難しい従業員に適用することが多いでしょう。
なお、規定時間を超えた残業については割増賃金が発生するため、「みなし残業制度」は残業代の上限を固定するものではありません。
1.従業員側のメリット
従業員側のメリットは主に以下の2つ。
・残業時間が短いと得をする
・収入が安定する
30時間分の残業代が給与に含まれている場合、実際の残業を30時間以内に収めると、結果的には給料を余分にもらっていることになります。
また、残業代の変動による月収の上下動がなくなるため、生活設計を立てやすくなるでしょう。
2.企業側のメリット
一方で、企業側のメリットは主に以下の2つ。
・残業代を計算する手間が省ける
・従業員の業務効率が上がる
残業時間が規定の時間内であれば支払う給与額は変わらないため、改めて残業代や税の計算をする必要がなくなります。つまり、基本的に残業代が固定化されることで毎月の給与の大幅な変動がなくなり、人件費の見通しを立てやすくなるのです。
また、実際の残業時間が少なくても規定のみなし残業代が支払われるので、得するために「仕事を早く終わらせて帰ろう」と考える従業員が増えます。
残業代を目当てにダラダラと仕事をすることがなくなり、効率的に取り組むようになるでしょう。
3.従業員側のデメリット
従業員側のデメリットは、無駄な残業を強いられる可能性があること。
本来は残業があまり発生しない閑散期にもかかわらず、給与に含まれているみなし残業代の分を働かせるため、今すぐやる必要はない業務を会社や上司から命じられるケースが出てくるかもしれません。
4.企業側のデメリット
企業側のデメリットは、もともと残業の少ない部署や残業時間の変動が大きい部署の従業員に適用すると、無駄な人件費を支払うことになる可能性があります。
また、規定時間を超過した分については割増賃金を支払う必要があるため、残業の多い部署だと人件費がかさんでしまう場合があるでしょう。
みなし残業制度の注意点
規定された「みなし残業時間」は、その時間の分だけ必ず残業をしなければいけないというものではありません。
なので、企業側が無理に仕事をつくって残業を強いたり、逆に、残業時間の少ない従業員が負い目を感じて自分からサービス残業をするといったことは制度の目的からズレています。
余計なトラブルを招いたり、無駄な残業や割増賃金が生じたりしないように、企業側も従業員側もルールをしっかり理解することが大事なのです。
まとめ
みなし残業制度は、企業と従業員のどちらか一方だけが得する運用の仕方では活かし切れているとは言えません。
もし、同制度を採り入れている企業に入社した場合は、自分の働き方を見直して効率化を図り、会社と「Win-Win」の関係を築くようにしましょう。
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