初めて正社員として働き出すと分からないことばかりのはず。特に給与面は税金などが差し引かれることで、受け取った際に「あれ？」「これだけ？」なんて思う場合もあるでしょう。
そこで今回は、給与に関する基本知識について解説したいと思います。

「基本給」「額面」「手取り」って何？

一言で給与と言っても、何を指すかによって実際の金額は大きく変わってきます。
給与に関しては、まずは次の3つを覚えておくといいでしょう。

・基本給
毎月固定で支払われる金額で、各種手当を含まない

・額面
会社が支払う給与総額のこと。基本給に各種手当を足したもので、税金や保険料などを控除する前の金額。給与明細では「総支給額」の欄にあたる

・手取り
給与総額から各種控除を差し引いたもので、社員が実際に受け取る金額。給与明細では「差引支給額」の欄にあたる

基本給が低くても各種手当や時間外労働が多いと、基本給が高い人の総支給額を上回る場合があります。
また、額面は高くても差し引かれる金額が多いと実際に受け取る金額は少なくなるため注意が必要です。

主な手当と控除

手当には次のようなものがあります。

・残業手当
・役職手当
・通勤手当
・住宅手当

こうしたものを受け取る権利がある場合、給与明細の該当欄をチェックして、きちんと支払われているか確認してみてください。

一方で、控除されるのは主に次のようなもの。

・所得税
税率は5％～45％で、課税所得が多いほど税率が高くなる

・住民税
前年の所得をもとに税額が決まる。そのため1年目は徴収されず、2年目から収めることになる

・厚生年金保険
会社に属している人が加入する公的年金で、本人と会社が保険料を50％ずつ負担する。保険料率は（基本給＋各種手当）×18.3％
※保険料率は2024年のもの

・健康保険
会社に属している人とその家族が加入する医療保険制度で、本人と会社が保険料を50％ずつ負担する。保険料率は都道府県によって異なる

・雇用保険
失業した場合に給付を受け取れる制度。保険料率は事業によって異なり、本人の負担率は一般事業が0.6％、農林水産・清酒製造・建設は0.7％
※保険料率は2024年のもの

他にも介護保険、各種積立金、労働組合の組合費などが差し引かれる場合もあるため、給与明細をしっかりと確認しましょう。

年末調整で還付されることも

給料から差し引かれた所得税額と、年間所得から算出した実際の所得税額にはズレが生じることがあり、その差を埋め合わせするのが年末調整という仕組みです。
本来徴収されるべき税額よりも、実際に徴収された税額の方が多い場合は還付金があり、逆に少なかった場合は追加で徴収されることになります。

まとめ

給与は「額面」と「手取り」によって金額が大きく異なるため、会話の際にはどちらを指しているのかはっきりさせることが大切になりますが、給与と言えば一般的には手取りではなく額面を指すことが多いです。
なお、手取りは額面の約75％～85％が目安。月収が20万円の場合は15万円～17万円、月収が30万円の場合は22万5000円～25万5000円くらいだと考えればいいでしょう。

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