感覚的な理由を話すのはやめましょう。

　簡単な質問のように見えて、奥が深い質問。準備していないと焦ってしまい、迷った挙句「両親です。」と答えてしまうのではないでしょうか。両親と答えることは素晴らしいことだと思いますが、この質問は「なぜ？」と深掘りされますので、その時に話した内容が浅くなっていないか注意が必要です。

　面接官はこの質問で、あなたが誰を尊敬しているのかを知りたいのではありません。「なぜその人を尊敬するのか」を聞くことで、あなたに影響を与えている、共感している生き方、物事の考え方、価値観を探っています。言い方を変えると、あなたの目指す生き方や物事への姿勢が問われていることをぜひ意識してください。（しかし、稀に尊敬している人物は近親を挙げる方が良いという場合もありますが。）

　歴史上の人物を挙げる人も多いと思いますが、例えば坂本竜馬だとして、「理由はテレビやドラマ、小説を通じて偉大なことを成し遂げた部分にあこがれを感じています。私も一時代を築ける様な大きな仕事をしたいと思っています！」という話では、少し足りないと思います。何故かと言うと、坂本竜馬では無く徳川家康でも構わない訳で、理由にはなっていないからです。

身近な人を挙げて、内容の濃い理由を話しましょう。

　大切なのは「誰か」ではなく「何故か」。尊敬している人を尊敬している理由を問われていると認識してください。そのため、「両親を尊敬していて、理由は育ててくれた恩があるから」と言った回答は、当たり前すぎて面接向きではないのです。

　尊敬している人物のどういった部分が具体的に好きで、あなたはそれを踏まえてどういう価値観を持っているのか、どういった人生を送りたいと感じているのかを話せると良いと思います。まずは、今のあなたの人生や価値観に影響を与えた人物を挙げましょう。私がおすすめなのは出来るだけ身近な人でお世話になった人物です。その方が、より明確に理由や根拠について説明することが出来ると思います。